「鉄生君、遠慮しないで♪」
自分の上にのし掛かった陵刀が満面の笑みで言った。
■ぷれぜんと
3月21日
仕事が終わってすぐ陵刀の車で高級料亭へと連れて行かれた。
今日は自分の誕生日。
確実に”一見さんお断り”の店だろう
品の良い女将が陵刀に何やら話しかけると離れの一室へ通された。
いつもの飲み屋と違い何だか緊張する。
「こんな高そうな店、初めてだ・・俺なんか場違いじゃねぇか?」
「気にしなくて良いよ。女将とは顔なじみだから。」
「俺スーツじゃねぇし・・・」
「大丈夫だって。君が気にすると思って離れにして貰ったんだから♪」
「あ、ああ。すまねぇ・・・」
以前自分が日本料亭に行った事がないと言うのを覚えていたらしい。
「脚、崩して。」
遠くで鹿威しが心地よく響く。
高そうな小鉢に入れられた料理が目の前に並ぶ。
「鉄生君、誕生日おめでとう。」
めずらしく陵刀が真面目な顔で告げる。
「な・・なんだよ・・・なんかいつもと違うぞ・・・」
「そう?ほらコップだして、注いであげるから。」
「あ・・・あぁ」
今日の陵刀はやけに男前に見えた。
この男の場合見た目で惑わされるが大人の男の魅力だろうか
いつもと違った雰囲気にのまれそうになった。
高級料理に満足しポンポンとお腹をたたきながら鉄生は座椅子にもたれた
「美味かった!」
「うん。ここの料理長は西洋料理なんかも取り入れた創作和食の第一人者だからね」
「へ〜ありがとうがとな。こんな凄いところに連れてきてくれて」
「誕生日プレゼントはこれだけじゃないけどね」
ふ〜ん。と大した疑問も持たずお茶をすすった。
「ここは離れだからね、多少騒いでも母屋には聞こえないから安心して♪」
突然脈絡なくそう言うと陵刀が笑う。
「・・・え?」
立ち上がった陵刀が鉄生の後ろの襖に手を掛ける。
嫌な予感がする・・・
スパーン。
勢いよく襖が開けられると嫌な予感が的中していた。
どこかのベタなドラマか時代劇か・・・
奥の部屋にはこれ見よがしな真っ赤な布団が敷かれている。
案の定枕は2個。
「逃がさないよ!」
もの凄いスピードで部屋を出て逃げようとしたがあっけなく捕まった。
ジタバタともがく鉄生を軽々と抱き上げると布団へと運んだ。
「俺の誕生日祝いだったんじゃねぇのかよ!」
「そうだよ。」
「じゃぁ、なんだよこれは!!」
「ぷれぜんと♪」
「何言ってんだ!」
必死に押しのけようとするがモノともせず鉄生のズボンを脱がすと陵刀は足の間に潜り込んだ
「今日はたっぷりご奉仕してあげる」
「ひゃぁ!?」
陵刀が鉄生のペニスを口腔内に含む。
ゆっくりと頭を上下すると裏筋に舌を這わせ勃ち始めた先端の皮に舌を潜り込ませ剥く。
震える先端に音を立ててキスすると完全に勃起する。
舌先で先端をくすぐるとすぐに先走りが溢れた。
「ひ・・あぁ・・あ・・・」
「ほらココはOKだって。」
「馬鹿・・・やろ・・・」
ガクガクと腰の力が入らない鉄生を横にすると陵刀が覆い被さる。
「さぁ鉄生君、どうして欲しいか言って」
「なっ!?何言って!」
「これは誕生日プレゼントだから。今日は鉄生君がして欲しいようにやるよ?」
「アホか!」
「さぁ、このまま口でして欲しい?手が良い?それとも・・・」
「ヤ・・・やめ・・」
「本当に止めていいの?」
「・・ふっ・・」
「鉄生君♪」
「ヤメ・・んなよ・・・」
「うん。」
「いつもみたいに・・・自分の好きなようにすれば良いだろ・・・」
「ダメだよ。今日は鉄生君の好きなようにしてあげるんだから!」
全然プレゼントじゃねぇよ・・・
不満でいっぱいだったがまだまだ若さ溢れる自分の躰は中途半端に煽られた
おかげでどうにも治まりがつかない熱に支配され辛い状態だ
「鉄生君?」
「・・・」
「うん?」
「く・・くち・・」
「聞こえないよ?」
「口・・・気持ち・・・よかった・・・」
これ以上はないほど赤面しているのが自分でも分かった。
恥ずかしくて死にそうだった。
なんで俺はこいつに弱いんだろうか・・・
「いっぱいイってね」
「んぁあ!・・ひゃぁ・・・あっあっ・・」
結局陵刀の良いように誘導され最後までヤラれた。
「結局いつもと同じじゃねぇか・・・」
「そう?いつもより鉄生君敏感だったみたいだけど?」
「うるせぇ!いつも通りだ!」
「誕生日おめでとう。」
「・・・あぁ」
「これからも僕をよろしくね」
「・・・なんで自分の誕生日にお前の老後の世話を頼まれなきゃならないんだよ」
「ひどいな〜老後の世話だなんて・・・」
「本当に鉄生君がこの世に生まれてきて嬉しいよ」
「大げさだな・・・」
「おめでとう」
陵刀の唇が重なる。
END
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