「防寒着」
「う〜・・さみぃ!!」
珍しく白衣を羽織り身を縮めて鉄生が医局に入る。
「どうしたんだい、鉄生君?」
「最近冷えるから・・・ってお前寒くねぇのかよ?」
「・・・僕、体温調節出来るから☆」
にっこりと陵刀が笑う。
・・・本気っぽいな・・・
こいつが言うと本当に出来そうで嫌だな、
なんて思いながらロッカーを探る
「人外はほっといて・・・防寒着何処だったかな?」
突然後ろから陵刀が鉄生に抱きつく。
「やだな〜鉄生君、僕が暖めてあげるのに〜」
「言うと思った・・・」
背中にのし掛かった陵刀をそのままに鉄生が答える。
「・・・」
「おはよう御座います!・・・何やってるんですか?」
瀬能が怪訝そうな顔で二人を見つめる。
鉄生の背に陵刀が張り付いたままモソモソと動いている
端から見たらおかしな光景。
「・・・バカップル・・・」
「鉄生君、嫌がらないとつまんないよ。」
「あ?ああ別に。」
暖かいから暫くこのままでいいや。
陵刀に見えないように鉄生は笑った。
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